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「消費税還元セール」はボツか
安倍政権は「消費税還元セール」というのを禁じたいようだが、これについて昨日、小売なんたら業界の親分らしき人物が
企業努力のナニが悪い
とやっていたのを見て、ちと考えてみる気になった。
安倍政権は要するに、消費税を業者側がカブって泣き寝入りする事態を避けたい、ということのようで、これはこれでマコトにもって正しい姿勢であると言える。
小売業界が自主的に消費税分をカブり、それを売りにしてショーバイ繁盛を期するのは結構なことだが、これが結局、大手企業が下請けに
おんどれのところでカブったらんかい
と圧力をかけるようになると、景気全体の底上げがでけへんし、またワシが言う「富の分配」が全くならんことになる。
なので、消費税増税の是非は別として、仮に増税するなら必ず留意すべき点のひとつだと言え、安倍政権の意図それ自体は正しい。
がしかし、その具体的手段として「消費税還元」と謳ってショーバイしてはいかんというのは妥当かというと、これは憲法上の疑義が出てくることになる。違憲立法となりかねん。
まず営業者には営業の自由がある。これはやたらと制限されるべきでない。また営業広告については表現の自由に含まれるので、たとえ政府の政策にタテ突く表現であっても、許されなければならない。
民主党壊滅記念セール
みたいな広告を打つのは、自由でなければならん。
消費税「還元」というのは、これは実体法上もウソだから(消費税の還元は国・自治体にしかできん、ウソはいかんということで禁止することができるかも知れんが、なら
消費税ぶんキャッシュバック
とか
消費税ぶんカブります
みたいな広告だったらどうなるかという、アホな限界事例が登場することになるだろうなあ。
いずれにせよ、安倍自民党は、法案の文言で苦労することになるであろう。そしてまた、それを出し抜く方法はイパーイ出てくるであろう。
ということを考えると、例の小売業なんたら協会の親分が、真剣な表情で「企業努力で消費税分のコストダウンをし、消費者に還元してなにが悪い」と記者会見やるのも、なんだかユーモアのない話で、おれならどんな規制を政府がして来ようが、がんがん消費税還元セールをやり、摘発されたらされたで(されんと思うが。規制の趣旨は下請けイジメの禁止なので)、堂々と憲法訴訟に持ち込んだろうと思うがなあ。
なんたら協会の親分も
安倍さん、法廷でお会いしましょう
ぐらいブチカマしてやっても良かったんちがうんかと思うが。