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大吟醸ケンさんの大学 III
先のmessageでワシは
> college は あくまでも かりじ、
> cottage はやはりというかむしろというか かれぃじ に近い感じがした。
と書いた。ここのところにもうちと引っ掛かってみたいと思う。その前にちょっと復習しておくと、辞書の表記によれば発音記号は
college [kalidg]
cottage [katidg] であって、差異は ll/tt の発音部分に集中しておるわけだが、実用の英会話ではtt/llは同一の発音だということになって、通常のケースでは、聴いている側に混同が起きるのは当然だということで問題は収束している。
ワシがこだわりたいのは、ひとつには、個人差も大きかろうと思うが、Benさんの場合にはむしろアクセントの置かれない語末の-ege/-ageの部分の発音を使い分けることで差異を表現しているように思われる点だ。これはむちゃくちゃ面白いと思う。何しろアクセントはないわけだ。ところが-ageの場合には、あたかも第二アクセントがあるかのような発音が行われる。なんでかというと、チガイを明確にするために、だ。語末の-ageには、それだけ重厚感があるニュアンスがあるということになるのであらふ。その重厚感的なものが日本的「コテージ」に符合するのがまた面白い。
まぁこの話はこのへんでやめておこう。音の重厚感・軽快感にこだわるのは、日本的詩歌の世界の話だし。
もうひとつ、最近ワシが面白うてかなわんと思っているのは、今回の例で言うとcollege/cottageの先頭部分が必ず
「 か 」
と発音される点だ。
ワシはつい最近まで単純に、イギリス英語は「 こ 」、 アメリカ英語は「 か 」と発音されるのであらふと思っていたが、Benさんが言うところによれば
dog は 「ど っぐ」 であり
doctorは 「ど くたぁ」が正しいに決まってるじゃないか
ということであった。なお、繰り返すが、college/cottageはいずれも「か りじ」である。なおlotは「ら っと」である。もうこうなると、ワケがわからん。これがニューヨークで生まれ、ブルックリンでウェストサイドストーリーな青春を送ったいま80歳のベン・マーキンの生粋米語だ。
もっともムコウに言わせると、日本で生まれ昭和30年代な子供時代を送ったワシがしゃべる英語は
「てお。ラスベガスに来い。ステージに立たせてやる。いつでもトップクラスのコメディアンになれる。おお金持ちだぞ。」
のものらしい。オレは笑わそとは思ってないのに、それがまた逆に、そうとう笑えるらしい。わーははは。光栄だぁ。ばぁろ。いつだってラスベガスのステージに立ったろうじゃねーかw。
書いてるうちにちとムカついてきたので、ちと腹いせに、QsoNetでオレが聞いた日本人の爆笑英語を書いておいてやろう。
1
私は気の毒なイギリス人です。
<= 私は英語が貧弱です。
2
日本では、雪だるまが自衛力を形成しています。
<= (札幌雪まつりの雪像は、自衛隊が作ったものです。)
・・・・・・と、こうして「その部分」だけ取り出して俎上に乗せると結構笑えるものがあるが、実際にはこの話がけっこうディープなのは、QSOの最中には誰も笑ったりはしない点にある。「ちゃんと、意味が通じる」点にある。真剣に話し、相手も真剣にコミュニケーションをとろうと思っているとき、「この程度」のミスはなんら障害にならへん点に妙味がある。とワシは思う。タヌキっていても、その時点では面白くもなんともない。単に、あぁそうなんだなぁと思うだけだ。あとからふとその会話を脳内でリプレーしてみると、ぶはははと笑えるというだけだ。
正しくしゃべれるかということと、より良いコミュニケーションが取れるかということとの間には、少なくとも英語の場合にはほとんどなんのカンケーもない気がする。
むしろブロークンなほど、良かったりする。
不思議なほどに。
Don Gabacho
2011-02-16 (Wed) 13:21