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今回の災害は、避難をきちんとしておけば、避けられたものだった。国は今後、気象予測をさらに精細なものとして、より役立つ情報提供をしていくという。が、ましかし、それも今日明日可能なわけでもないし、だいたいそんなことが可能かという気がする。日本の面積の3/4は山地、そのぞれぞれの斜面の土質について、予測される雨量との兼ね合いで、避難するべきかどうか・・・などとは、可能だとしても、いったいどれだけのカネがか...
今回の災害は、避難をきちんとしておけば、避けられたものだった。国は今後、気象予測をさらに精細なものとして、より役立つ情報提供をしていくという。
が、ましかし、それも今日明日可能なわけでもないし、だいたいそんなことが可能かという気がする。日本の面積の3/4は山地、そのぞれぞれの斜面の土質について、予測される雨量との兼ね合いで、避難するべきかどうか・・・などとは、可能だとしても、いったいどれだけのカネがかかるのか。
また、こういうのは精度が高まれば高まるほど、外れたときの被害がデカすぎる。
もっとも、そもそも東京のどまんなかにおる連中が、島嶼部について真剣に心配できるものなのか、疑問でならん。
こーゆー問題こそ、地方分権というか、地域がそれぞれ自立してやっていかんとあかんとわしは思う。
TBS系昼の報道バラエティ「ひるおび」では、このあたりにかなり突っ込んだ議論をしていて、ナルホドと思わされる指摘がいくつかあった。
あの番組で気象予報を担当している、名前はなんだったっけ、常日頃はユーモアあふれつつ、非常に論理的な解説をしてくれて頼もしく思っているんだけど、その人が今回の災害については非常に沈痛な面持ちで
各地域の測候所が無人化され、人がいなくなったことに問題が・・・
と言うておられた。オレはそのとおりだろうと思う。その地域の天候は、その地域にいる人がやるのが一番アテになる。「十年に一度あるかないかの豪雨」だのというのは、ちょっと注意して観察するひとがいれば、判断は可能だと思う。東京の気象庁なんかアテにしてる場合かという気がする。
これについては、コメンテータの室井さんというおばさんだかお姉さんだかようわからんひとが「なんでもかんでも役所に押し付けるってのはどうなの」と言うていて、まさにそのとおりだとワシは思った。
ところで。
「避難勧告(だったかどうか定かでない)」が出たとして、結果的に避難が必要だったと言える状態になるのは、おおよそ三十回に一回なのだという。数字上は、避難勧告が出たからと言って、素直に避難すると徒労に終わると言えるわけだ。この話もやはりこの番組で紹介されていて「オオカミ少年効果」とでもいうか、皆さん、避難しようとしなくったと指摘している専門家がいた。
これはとても重要な指摘だと思う。
ひとつには、現在の「避難勧告」てのは、その程度のアバウトさをもってしか、出せないという科学的限界を思い知らされる。
もうひとつには、実際の危険の30倍程度を見積もって、役所は勧告するのだという事実がある。責任を追及されるぐらいなら、国民に足運ばせたれというタイドは、「安全第一」という名分をもってすれば、通る。
結局、わしら国民としてはそのへんの「大人の事情」を汲み取って、実際にはナニもしないことになる。
実際のところ、数年前に名古屋でも、豪雨によって市の面積の半分ぐらい=市民百万人ほど凸を対象に避難勧告(だったっけ)が出たことがあった。堤防決壊がどうのと言う。で、どこへイケと凸(--メ)。
カーテン開けて外見りゃ、そこは小糠雨降る御堂筋の状態。静謐である。つまり、「外はただの雨降り」である。 で、
ばぁなこと言ってんじゃねーよ、なあ
ということで、誰も相手にしなかった(と思う)んだが、あちこちから「おい、港区全域避難勧告だぞ、大丈夫か」という電話がかかってきたりして、その応対にうんざりしたのだった。
こういうことが続くと、避難勧告なんてものは、誰も気にしなくなる。役所の独り言、免責発言に過ぎぬと判断することになる。
こういう状態は、ヤバいわなあ。
たぶん、日本全国同じようなもんだろうから、次の災害は、日本全国のどこでも起きる可能性がある。
中央気象台だの、あるいは二百万都市だのの「避難指示」てのは、現実感がない。そんな遠くにおって、ナニがわかる、コッチ来て外見てみやがれ阿呆。となってしまう。
名古屋で言うなら、小学校学区単位ぐらいでおそろしく生成発展した町内会組織あるいはその下部組織の「隣組」というのを活用する、これが一番心理的強制力が働いてよろしいのではないかとワシは思う。て言うか、災害が起きるのはそのサイズだ。
都合、町内会組織なんてのは防犯・防災に特化してよろしい。
ちょっとギャグめいて顰蹙ものかも知れんが、その「実際の必要の30倍の頻度で避難する」以上、避難した先で、なんか楽しいことでもないと、人間は満たされぬ気がする。
避難するたび、暗い顔して毛布かぶって、食事の配給を待つなんてのは、ごめんだ。誰がそんなところへ行きたい。
いっそ避難するたび、町内会大カラオケ大会でもやるとかして、日ごろの疎遠を繋ぎ直すとか、いろいろあっぺ。イッパイやってもよかべ。真の大人はそんなときは、酔っぱらうまでは飲まん。
よくあって、年に二三度だべ。予測のピンポイント化とか、精度の向上なんてほどほどにして、29回のムダをムダでない機会にしたらどうだという気がわしゃすっがの。
場所は各人最寄りの小学校。選挙の投票所とするばかりが能でもなかっぺ。
いやいやいやいや。
いやいやいや。
いやいや。
いや。
- Date : 2013-10-28 (Mon)
- Category : 非常通信・災害